第24回お産ラボ 藤枝HIBIKI

2018年 10月19日
この日は曇り空、時々雨がぱらつきましたが、2名の参加者さんとスタッフ4人!なんとスタッフの方が多い…。でも、まったりじっくり、それぞれの思いや言葉に耳を傾け、スタッフも熱く語り、心温まるひと時を過ごせました。

『終』

3人子どもが欲しかった。3人目が産まれたらから、これで終わり…と思うことが多い。陣痛を経験するのもこれで終わりだー!せっかちだから予定日よりも早く生まれてほしいと思っていた。実際には予定日を越えて上の子の運動会の日に産まれた。すぐとなりで帝王切開のやりとりがなされていたのを覚えている。出産後、分娩室や分娩台もこれで終わりかぁと思った。3人目が最後の子だから手がかかるこの時期もこれで最後。こーゆう時期も今だけなのかと思って、温かく見守りたい。

『驚』

1人目の妊娠では、聞いてはいたけど、そうなんだ!驚き!という出来事がいちいち起きたなぁと思い出した。妊娠中からの身体の変化もそうだが、家族の“男の子”を強く望む声にも驚いたし、反対に周囲の人の“お腹に赤ちゃんがいる”ことに対する優しさにも驚いた。出産は予定日を6日超えた。予定日が近づくと出産がどういうものか気になり、ネットで壮絶出産体験を毎晩読んではメソメソと泣いていた。
お産の時は「痛い」と言わないと決めていた。
1人目の出産は陣痛の波の驚きと、痛くない時間の無の時間の繰り返しだった。2人目は、女系家族で次も女の子と思ったら男の子で驚いた。出産時、病院に着いたらもう息んでOKと言われたが、自分の覚悟ができてなくて一体どうやって産まれてくるのかな?と考えながら産んだ。2人目出産後の今は、余裕がなくて上の子に怒ってしまう自分にも驚いている。

『驚』

次男の出産の時を思い出した。お母さんってすごいぞ!赤ちゃんにとって最強のお母さんになりたいと思っていた。実際の2人目の出産はあまりのスピードについていけず驚いた。スピードが速すぎたことに身体もついていけなかったのかちょっと気を失った、そんなことにも驚いた。そしてとにかく寝ない2人目、産後の育児の大変さにも驚いた。

『学』

1人目の出産は吸引分娩だった、それに比べると2人目の時は赤ちゃんが産まれる時の股の熱い感じも味わえて全てが順調だと思っていた。産まれてから赤ちゃんの診察で奇形が有ることが分かった。ショックだった、まさか自分の元にそういう奇形を持った子が産まれてくるなんて…。でも、退院までなぜか異常なくらいハイテンションだった。落ち込む様子がなくて「このお母さんはそんなにショックを受けていないから大丈夫そう」と思われたのかも。でも、実際はこの時何か解決策を教えてもらうのではなく、ただ気持ちを聞いて欲しかった。分かって欲しかった。

2人目の出産を機に子どもの病気の事、発達障害の事、子育ての事を学びたいと思い育児をしながら資格を取った。自分の人生にとっても学びになった出産だったと思う。

『怖』

14歳で女性器のトラブルが見つかって治療をした。現在2人男の子がいて、落ち着いたら今度は女の子が欲しいなぁと思うけれど、病気の再発の事もあり妊娠を考えてしまう。お産自体も大変だった。1人目が35週で産まれ、2人目は切迫子宮破裂と言われた。持病で子どもがなかなか出来ないと言われていたけど自然に妊娠した。
1人目は35週で陣痛が来た。病院で不安だったのでスタッフに頼んで夜中もモニターを付けてもらっていたら、赤ちゃんの心音が下がりそれを医師が離れたところで見ていて駆けつけてくれ、夜中の2時に緊急帝王切開で産まれた。
2人目は羊水が少ないからと言われ20週でこども病院に紹介された。健診前に破水?と思う感じがあったが、もうすぐ健診だからとすぐ受診しなかった。28週の健診で「もう羊水が無いからすぐに産みましょう」と医師から言われ、すぐに受診しなかった自分を責めた。突然の手術、見知らぬ看護師、周りで慌しくバタバタするスタッフ、怖くて手術台の上でも震えが止まらず「手を握っててもらえませんか」とスタッフに頼んだ。

28週で急に産むことになり、NICUで赤ちゃんを見ても

「本当に自分の子なのか」と実感が持てなかった。

「小さく早く産まれた赤ちゃんには、その赤ちゃんに見合った成分のおっぱいが出るから初乳がとても大切」と言われ、なんとか搾乳した。スタッフが1時間くらいかけて搾っていった。

「母親としての自覚を持ちたかったら家に写真を飾って!」
「見ながらおっぱい搾れば出るから」

と言われたが出なくて辛かったし、悲しかった。
そんな自分がお母さんで良いのかと思った。スタッフの言葉かけに、時間が経った今なら意見も出来るけど、産後のあの時はただ悲しい・辛いと思うだけだった。今は、自分の様に早く・小さく赤ちゃんを産んだお母さん達が語る機会を作っていきたいと考えている。

今回は、参加者全員が経産婦さん!それぞれの出産に思いを馳せ語りあいましたが、出産がその後の生き方や考え方に影響しているお話が挙がったのが印象的でした。

人生を変える程のパワーがお産には有る。

人が産まれるってすごい。

同じお母さんでも一つとして同じお産は無い。

だからこそ、その一回一回が温かい気持ちで満たされているものであってほしいと願います。でも、妊娠・出産には幸せなことばかりじゃないのも現実だから、せめて辛い・悲しい思いには心を寄せて傍にいられる援助者でありたい…と強く思いました。(Kanako)